ハートレスキュー
山での遭難事故や交通事故、火事などの現場に、レスキュー隊が駆けつけて、
遭難者を救出してくれることは、よく知られています。
ハートレスキューとは、ハート、つまり心が 「 助けてくれえ 」 と叫んでいる
ところに、カウンセラーが救出に駆けつける(?)と想像してみて下さい。
ところがまず、心とは何かがわかっていなければ、助けるにも助けられません。
心とは何でしょうか。
「 心 」 とは 「 脳の営み 」 なのです。脳をハードとすると、心はソフトという
ことになります。そして人は、自我も人格も行動様式も、全て脳のソフトで生きている
のです。
転んでできたすり傷が痛むのも、「 痛いの飛んでけ 」 で痛くなくなるのも、このソフトの働きです。
脳がこわれている場合、これは医学の領域です。
しかし、脳は問題ないが、ソフトの調子が狂っている、これをディスオーダー、と言いますが、これはカウンセリングの領域と
して、治すことができるのです。
治すことの意味合いを、遭難者レスキューに置き換えてみましょう。
隊員は、「 大丈夫かい、しっかりするんだよ 」 と、励ますだけではありません。
技術をもって、的確に救出作業そのものを行う筈です。
即ちハートレスキューは、悩みを聞いてあげて癒してあげればいい、というだけのものではありません。
正しいカウンセリングとは、ディスオーダーを正常化するところまで含まれるべきではないでしょうか。
それで初めて、悩んでいる人をレスキューしたことになるのです。
最近、癒し、あるいはヒーリングという言葉をよく聞くようになりました。
確かに、「 癒し 」 はカウンセリングを構成する流れの中で、とても重要な要素ではあります。それは脳内にセロトニンを
分泌させて、一旦はリラックス効果を生むからです。
しかし、それで問題が根本的に解決されることはないのです。頭痛薬と同じです。
ですから、「 癒し 」 で終わってしまっては、「 カウンセリング 」 としては未完成と言わなくてはなりません。
「 カウンセリング 」 イコール 「 癒し 」 と思い込んでいるカウンセラーや、そう教えるだけのカウンセリング講座は、
プロとして考えるなら、明らかに不十分と言えるでしょう。